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フランクフルトにきて3日目、毎年恒例の行事になりつつある、K&Mのファクトリー見学をさせていただきました。メッセ会場から車で約1時間半の場所にあるWertheimというのどかな町に工場があります。

淡々と機械がプシュ ! プオーンと動き、黙々と作業をこなしている姿はモノづくりをおこなっている工場ならではの風景ですが、その中でも高いレベルで製品のクオリティを維持するため、あらゆる意味でクオリティーコントロールが完全に徹底されており、工程ルート・周辺環境整備・専属専任スタンスが確立されています。「専属専任の工程スキルの高い人」が「業務に専念しやすい環境」で、製品を作る。クオリティーの高い製品が出来上がってくるのは必然的です。どうしても人の手で作業せざるを得ない工程のノウハウは完全にオープンになっており、誰もがプロフェッショナルで誰もが自分の仕事に誇りを持っています。社員数は250名ほどですが、一つ一つの作業は1人〜6人ほどの少人数で交代制で行っているそうです。
工場内の敷地は大きく、とても静かな場所でした。工場というと機械の騒音で人の声が聞こえないほどガヤガヤと騒がしい場所というイメージがありますが、作業もとてもはかどり、もくもくとこなしている印象です。

機械の行程は基本的にオートマチックですがその他、手作業で行われている工程もあります。

扉が閉まりここで焼き付けを行います。まるで東京ディズニーランドのホーンテッドマンションのように向こうの方からパーツが流れてきて、色のついた粉を吹き付けます。あらゆる色に対応していますが、当然の事ながら特殊な色はコストがかかります。その後、自動で開閉する部屋へ商品が移動し、200℃以上の高温で焼き付けます。その結果、ベース面と塗装面が超微粒子単位で超強固な結合となり、色落ちしにくく、長く使える良い製品が完成します。今でこそ、自動的にトコトコと釜に入り、自動的に出てきますが、この工程は温度・湿度管理などの独自ノウハウが不可欠との事なので、「今までいったいどれだけの試行錯誤を繰り返したのか?」と思いをはせてしまいました。こういったクオリティーコントロールの結果が世界で認められるK&Mの礎となっている事を考えると、正に基本に忠実でいる事がすべての基礎であると再認識させられたました。


工場ではコーティングの品質にとても気を使っているとのこと。部品を差し込む枠は何度も繰り返し使用しているとススのようなものが貯まるので、定期的にオーバーホールをします。200℃以上の高温は冬になると従業員の暖房として各部屋に提供されているそうです。とても暖かそうです !

機械の行程はオートマチックですがその他は全て手作業で行っています。

オリの中に入ってる機械は獰猛な犬でも高価なものでもあるまいし何だか変な感じがしましたが、これは外から異物が入ってこないように、また中のものが飛んでいかないように覆われています。(あと別の場所にも2、3台はありました)従業員の安全に対して特に気を使っていますね。ふと思ったのが日本語では「人材」と書きますが、ドイツ、特にここK&Mにおいては「人財」と表現する方が適切です。まさに「人」こそ「財産」従業員の健康と安全を完全に保証することで安心して製品作りに没頭できる環境が整えられており、その結果がK&Mの製品クオリティーの保持と更なる向上に寄与しているのだと感じさせます。

扉の向こう側は宝塚の回転ステージのようになっていて、写真の左奥のほうでパーツをセットし、180度回転して向こう側で溶接を行います。その溶接状況は扉の向こう側のセットした所からは見れないのでここから確認することが出来ます。溶接メットを被って「エイヤエイヤ」と人力勝負でやると思っていたら全然違いました。ここにも、従業員の安全を守る工夫が感じられます。

整理整頓された倉庫です。常に4000箱位の在庫を蓄えている上、従業員の健康にも気を使っていて紙などからはダストが出やすいので倉庫内のダストができるだけ少なくできるよう換気もマメに行っていました。

コレは複数のケースをテープでまいてひとまとめにする機械です。下から上に上から下にと自動でくるくる巻いていくロボット様な感じです。しか〜し ! あんまり珍しいからといって、じ〜っとみていると目(◎◎)が周ってしまうので要注意 ! !

部品の金型です。大変な高温になる為、導線と材料を水の中に入れて型どおりに切っていきます。0.001mmの精度で型どおりにカットできるとのこと。水を拭きかけながら切っていく今の日本のやり方とはちょっと違い、なかなか豪快です。

創立者のKONIGさんとMEYERさんです。さて、どっちがどっち ? ?



正解 :左がKarl Konig氏、右がErich Meyer氏


最後は工程を説明してくれた方と一緒に記念撮影。普段、販売しかしていない私達にとって、商品が出来るまでの工程を見学をする事ができ一つの商品をつくるのに、何百人もの人手を通って作られている事に、一つ一つを販売・扱いをするのにもっと大切にしていかなければいけないという事を感じました。「人ありて会社を成し、環境ありて製品を成す」その通り、人と環境を整え、クオリティーの高い製品を作り続けるこのK&Mは、純粋にすばらしいなと肌で感じました。

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