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K&Mブース
K&Mブースでは数多くの新商品が発表、展示されていました。ギタースタンドやキーボードスタンドなど意欲的な商品開発がされています。
丸パイプタイプのキーボードスタンド18830、折りたたむとコンパクトで持ちやすい18850、ワンタッチタイプのスピーカースタンド21485、テキ屋の焼そば鉄板かと思いましたが、DJスタンドの42080など使いやすく、品質の高い商品が揃っていました。モニタースピーカースタンドの26740や木製譜面スタンドの11726など、今までありそうでなかったものがゴージャスに並べてありました。
K&M 工場視察
横向きですが、右に写っているのが工場案内、およびMesse会場まで車で送ってくださったK&M社のDoschさん。経営者であると同時に自らもエンジニアで、勤続30年以上のベテラン。ドイツの職人魂と、K&M社への愛情を語ってくれました。
K&Mの工場があるWertheimの風景。近郊を流れるMain川が度々氾濫を起こす為、橋の残骸がモニュメントとして残されていました。また街のあちこちの建物で、洪水を記録したマークがつけられていました。
K&Mの工場へ向かう途中、Doschさんが街のことをいろいろと教えてくれました。この時は街が洪水に遭った時のことを説明してくれました。
この数字とラインは洪水があった年とその水かさを表しています。ここの壁の他にもあちらこちらで色々と洪水の跡をみることがありました。場所によっては背丈を越えるようなところもあり、ビックリです。
これはお城だそうです。どんな人が生活していたのか、生活しているのか。他にも、ここら辺は広い草原地帯が広がっていたり、山のふもとに、煙突から煙が出ているかわいらしい家が密集した街があったりとまるで童話に出てくるような景色でした。
K&Mの第一工場。ドアもリモコンで開くハイテク工場。現在工場は2箇所に分かれているものの、最初にK&Mが起業したのがこの工場で、小さかった建物を増築して現在の形なったとのことでした。余談ですがK&M社の創業は1949年。従業員数わずが10名の零細企業から、世界的に有名なスタンドメーカーに成長しました。現在の社長であるKonig氏のお父様は世界大戦前から東ドイツでスタンド作りに携わっていたとのこと。戦前の東ドイツはミュージックスタンド産業が盛んだったようです。
工場内部の様子。ここではプラスティック部品を鋳造しています。原料のプラスティック顆粒(写真上)を巨大な鋳造機(写真左)に入れると、完成部品として出てきます。男性、女性を含め、4人くらいの従業員の方が働いていました。
鋳造機の型。非常に高価とのこと。
第二工場へ。ここではまず、商品の原料となる鋼鉄を切断・加工するところから始まります。巨大な鋼鉄のリール(写真右上)。プレスされたスタンドの部品(写真右)。
次にスタンド部品の仕上げへ。サウンドハウスの定番マイクスタンド、21020はクローム(シルバー)、21020Bはブラックですが、ここでその仕上げが行われていました。
クローム/ニッケルは巨大な風呂桶のような容器にいれられ、加工を繰り返すことによって、にごった表面が鏡のようにピカピカになります。(写真左)一方ブラックの場合、黒を発色する粉(磁気でスタンドにくまなく付着し、後に熱で定着する。写真右)を吹き付けます。
次に案内されたのが、部品の組み立てセクション。K&M商品には1000を超えるパーツで成り立っているものもあり、たったひとつのパーツ生産が遅れただけで、完成品の生産スケジュールが狂ってしまうとのこと。各パーツはコンピューターで管理し、組み立てやすいよう自動でパッキングされます。スタンドの老舗メーカーならではのこだわりといった感じでした。
パーツが揃うと、いよいよ商品の組立作業に入ります。従業員の数は20名ほどで性別・年齢は様々。「昔は一つの組立作業が終ると、パーツを探しに従業員が右往左往したものだが、今は選任のパーツ供給スタッフを置いたり、核パーツをストックする作業台を固定した為、無駄が省けた」とDoschさん。
梱包作業およびロゴ入れの様子。となりの工場でK&Mのパッケージも製造されており、ひとつひとつ丁寧に梱包されていました。
K&M新商品。病院などで用いられる機材で、特殊な光を患部に当てると、痛みが和らぐと言うもの。K&M社が創意工夫を凝らしたのが、ライトの格納部分。どんな角度にも自由に曲がるよう設計されています。
倉庫の様子。サウンドハウスの倉庫を少し大きくした感じ。どの棚に何の商品が収納されているか、大きな写真により、一目でわかるように管理されています。
変換ネジ製造セクション。ここでも大型の鋳造機によって生産がほぼオートメーションされています。ドイツ製の鋳造機は大変高価とのことで、利益を確保するためには24時間稼働が必要とのこと。お土産にもらったのが変換ネジならぬお皿(写真参照)。きちんとニッケル加工が施され、K&Mのロゴとモットー、「Stands For Music」の刻印がある。
K&M工場視察を終えて:
全体の感想として、最高級の技術を低価格で提供するという、K&M社のきまじめな経営精神が随所に感じられた工場ツアーでした。案内をしてくださったDosch氏をはじめ、従業員の方が会社に対して強い信頼と愛着を持っているようでした。後で社長令嬢のGabriellaさんから聞いた話によると、K&M社は高い技術をもちながら、発売商品の特許をとるのを忘れていた為、たくさんのコピー商品によって損失をこうむっているそうです。しかしながら、数多くの正規代理店と強固な絆を持ち、忠誠心ある優秀な従業員を抱え、また常に進化を続ける職人魂により、これからも発展を続けると信じているとのこと。代理店のひとつであるサウンドハウスも、責任感をもって日本のお客様にK&M商品を提供していかなければ、と痛感しました。
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