NAMM Winter Session2000 -LOS ANGELS-
ナム、南無、NAMM、どう呼んでも日本人に親しみやすい言葉だ。そのフランクフルトのムージック・メッセに次ぐ大規模を誇るナムショーが2月初旬、アメリカ、カリフォルニア州のロスアンジェルスで開催された。 |
ただ単なる音響と楽器の展示会をはるかに超えたナムショーには毎年多くの著名なミュージシャンが訪れ、各メーカーのブースですばらしい演奏を繰り広げて会衆を楽しませてくれる。昨年はPeaveyのブースに突然エディー・ヴァンヘイレンが登場して、ギターソロを一人で引きまくってくれた。 |
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最先端機器は元より選りすぐりの管、弦、打、果ては民族楽器と何でもありのナムは、とにかく楽しいとしか言いようがない。 |
誰でも参加できるのがNAMMの素晴らしいところ。ミュージシャンはもとより、レコーディング・エンジニアや学校の先生、子供達、また夫婦が散歩がてら演奏デモを聞きまくっても、それが当たり前に見えるのが実にGOOD!
昔とは違うなあ と感慨にふける夫婦連れ(ギターコーナー) |
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そして奇人変人、何でもありが、またアメリカの息づく文化を感じさせられるひとつの接点でも有る。
ちなみに写真はEARNIE BALLの巨大ブース内で闊歩しているエルビス・フリーク達。何でギター弦を売りまくる会社がオールディーの車まで持ちこんで、エルビスもどきの真似事で楽しませてくれるのか、考えれば考えるほど不思議なのが南無、いや、ナム・ショーだ。 |
そして毎年斬新なモデルがブースを飾り、あらゆるレベルのアーチストに夢を与える場所となっている。 |
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まず驚いたのはコンデンサーマイクの雄、RODEのブースだ。なんと、そこには何もないのだ!ただ10坪ほどのスペースの真中に小さなショーケースがあり、その中にスマートなRODENT3が只1本飾られているだけ。この意外な展開は何なのかと思い、ジェネラル・マネージャーのヒル氏に聞いてみた。すると彼はいとも簡単にこう答えた。 |
「NT2とNT1はすでに誰でも知っているベストセラーなので展示しても意味がない。このNT3だけを見てもらいたい。最高の筒型コンデンサーを完成させたよ!」その自信あふれる言葉を裏付けるかのごとく、ナムショー発表直後にすでに数千本のオーダーが舞い込んでいるようだ。ちなみに日本でも4月に販売を開始する予定で、驚異的な価格を実現できるというので楽しみにしたい。 |
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もうひとつのマイクメーカーといえば人気急上昇中のAUDIX。次から次へと新モデルを投入するこのメーカーは、その例に漏れず今回のNAMMでも各種コンデンサーマイクを紹介してくれた。デスクトップ用グースネック付コンデンサーや、バウンダリーマイク、測定用マイク、ドラム用コンデンサーなど、春先に発売開始される予定の商品が展示されている。 |
このカントリー・バンドはいったいどこのメーカーのプロモーションか?と一瞬考えてしまった。ギターメーカーか?バイオリンメーカーか?と、良く見渡すと、これまたマイクメーカーのトップブランド、Shureのブースであった。そしてこのステージでShureの大口径ダイアフラムを搭載したコンデンサーマイクですばらしいボーカル・
ハーモニーを聞かせてくれた。とっても良い気分。 |
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そして同じSHURE社のもうひとつの顔としてカートリッジがある。ここでVESTAXのターンテーブルを使ってパフォーマンスを繰り広げているのは、SHUREカートリッジの宣伝のため。とにかくDJ仲間の中でもやはりSHUREの人気は根強い。 |
おーいーらーはどーらーまー...どかどかひっぱきたいけどね...みんな見てるしな...今度はここをこれくらいにしてっと...やっぱり恥ずかしいかな...
「おい早く代われよー」?? |
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照明とDJといえばAMERICAN DJのすごさには目を見張るものがある。昨年度も爆発的成長を遂げたADJはそのブースもますます大きくなっていく一方で、朝から晩まで大勢のビジターでいっぱいだ。 |
そしてデュアル・CDプレーヤのCDJ PRO500や各種照明器具の新製品が紹介されている。日本でも知名度がグーンと上がったADJの更なる発展に今年も期待したい。 |
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またケースメーカーのODYSSEYにも注目してみたい。DJ人気の上昇で一躍脚光を浴びてきたメーカーだが、次から次へと新しい商品を開発する姿勢には敬意を表したい。ケースメーカーだからと言って、侮れない執念を感じることができるメーカーがODYSSEYだろう。ちなみに社長は中国系の方で、何でも親切に質問に答えてくれる。 |
電源モジュールで活躍しているETAのブース。当然の事ながらさっぱりしているわかりやすいラックシステムだが、訪問してくるビジターが多いのにびっくり。地味ながら、皆の必需品となった電源モジュール。これからもどんどん浸透していくのだろう。 |
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次はサンプリングCDで著名なILIOのブースを尋ねてみた。バイオリンを弾きながら、様々な音を確かめているユーザーさんの熱心さにちょっと聞きほれてしまったかな! |
オーッとっと、これはこれは、と誰もが足をとめて目を見張るのがやはりグラマー美女のシーン。百聞は一見にしかず、といわれるとおり、音楽はさておき、ときにはこんな「見る」目を養うことも大事かな?うーん、でもやっぱりすごいね。。。何が? |
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はい、まじめにいきましょう。次はST LOUIS MUSIC(セイント・ルイス・ミュージック)という大手楽器メーカーのブースだ。あまり日本では知られていない名前だが、実を言うとAMPEGやCREATE等のブランドを製造している大元のメーカーで、その他各種楽器の卸をしている。日本でも大人気のAMPEGが全モデル勢ぞろい。そしてアメリカでは人気のCRATEだが、まだ日本ではあまり見かけない。これからかな? |
PEAVEYのブースはありとあるゆるショーで大きいだけでなく、内容がみっちり。というのも何でも作っているYAMAHAのようなメーカーだからだ。PEAVEYがここ最近特に力を注いでいるのがギターそのもの。WOLFGANGを頂点として、下は9800円のギターまで、様々なレベルの商品が満載だ。 |
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スピーカーもフルラインで展示してある。日本でもすでにトップのシェア-を誇るまでになったPEAVEYのスピーカーは、とにかく値段が爆安なのにもかかわらず、品質に妥協が無いことが成功の秘訣だろう。 |
PEAVEYはPA用のミキサーもガンガン造りまくっている。とくに彼らの得意とするのは、ケース内蔵型のものだ。SKBのケースに組みこまれているものや、FRP仕様のものまで、各種取り揃えてある。便利そうだ。 |
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もう日本でおなじみのLINE6のブースも活気に満ち溢れていた。一日中デモ演奏を繰り広げる中、同ブース内で、ギタリストがギターを弾きまくっている。もちろんPODがいまだに超目玉グッズだ。また新しいコンパクト・シミュレーターも登場し、SPIDERシリーズのラインナップにも要注目だ。 |
ギターアンプのメーカーとして日本でも人気うなぎ上りのVHT。そのガッツィーなルックスと、図太いうなるようなギター音に多くの参加者が熱狂するに違いない。 |
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オーディオ・プロセッサーで目を引いたのがHHB社から新登場する予定のFATMAN、名づけてデブ男。これはRADIUS40というボイスプロセッサーを改良して更に使いやすくしたハーフラック2U仕様の真空管マイクプリだ。こう言うコンセプトは面白いし、他に全く類がないというのが売りだね。 |
ショーが終わった後はメーカーのみんなとあちらこちらに食事をしにいき、ライブを聞いて締めくくるのが定番。わがサウンドハウスのチームもその例に漏れず、JAZZ&FUSIONの老舗であるBAKED
POTATOESでライブを楽しんできた。 |
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やっぱりロスのNAMMは最高だね。だってショーをたっぷり楽しんで、近くでカリフォルニア・ロールとサーモンスキン・ロールのおすしを食べて、ちょうど気持ち良くなったところで、ベースがびんびん響くFUSIONを最後に聞いてその日を締めくくることができるのだから。ああ、天国、天国。 |
来年のNAMMは多数のメーカーからのリクエストで、ダウンタウンの中心街から移動して、再度ディズニーランドのすぐそばにあるANAHEIM
CONVENTION CENTERに戻ることになった。これは楽しみである。参加者がもっと増えるだけでなく、アクションが大いに期待できるからだ。来年はみんなで行こう!! |
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