ロンドン プラザショー速報
Plaza Show'99 -LONDON-

ミュージシャンの憧れの街、ロンドン。そこはロックの発祥の地でもあり、Beatlesを始めとし、
LED ZEPPELINやDEEP PURPLE等の偉大なスターを生み出した音楽の名門である。
そのロンドンで毎年PLAZAショーと呼ばれている照明・音響機器の展示会が開催された。

1999年9月5日から8日に行われた。
ロンドンに飛び立ち、最先端のミュージック・シーンを探ってきた。

拡大写真 EARLS COURT(アールズ・コート)と呼ばれる町にある展示会場は、ナッシュビルのNAMMショーを思い出すような落ち着いた雰囲気のメッセ広場であった。

地下鉄駅の真上というのが何となく日本的でもあり、なじみやすく感じられる。
中に入ってみて、まずびっくり。とにかく会場の半分がフォグ・スモークでいっぱいになっており、まばゆいくらいの各種照明の光線で目がくらむようであった。

規模もなかなかで、一日じっくりかかって何とか一応全部目を通すことができるくらいだ。さすが、PLAZAショーといわれているだけある。
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拡大写真 結論から言ってしまおう。PLAZAショーはいつのまにかDJの大舞台に変身していたのであった。

およそ1/2のフロアースペースがDJと照明関連のメーカーで埋まっており、一見してわかるほど、DJのセクションは人だかりが多く、それ以外の音響や各種パーツメーカーのブースは、何となくしらけているといっていいほどであった。
やはり、これからの時代はDJが主流になるのだろうか?

ロックの発祥の地、ロンドンでロングヘアーの若者が皆無、一様にショートカットのヘアースタイルの若者のみが目に映るのに違和感を覚えるのは、ロックを愛好してきた自分だけだろうか?

そんなことより大事なのは、世の中のトレンドをしっかりと把握することだろう。
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グッドな雰囲気だ!
さて、流行に遅れまいと日本のメーカーもDJ一貫で展示に熱をいれていた。特にPIONEERのブースは人だかりがすごく、DJのパフォーマンスがすばらしかった。

なにか特別に新しい商品があるわけでもない。とにかく有名なパフォーマーが登場してDJのアクションを極めるだけで、観客が殺到する世界なのだ。それも若者から中年層まで皆、たのしんでいるようであった。
数多くの展示会の中で、天下のSONYやYAMAHA, ROLANDのブースがしらけきっており、PIONEER、VESTAX、TECHNICSのブースがホットになっているのは、ここロンドンならではの光景とも思えない。

ちなみに、ロンドンの若者は言う、"あくまでDJが主流なんだ"と。
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拡大写真 そして日本のメーカーだけでなく、AMERICAN DJのようなDJマーケットをターゲットにした会社も大いに賑わっているのである。

今やAMERICAN DJが発売するVIRTUAL BEAMの様なハイ・インテリジェント照明ユニットが実売価格9万円を切ってきたため、これからもっと普及していくことはまず間違いないだろう。

業務用の照明システムがとにかく身近になったと言う感覚だ。
オーディオ関連でも、DJマーケットに焦点を合わせて開発されたElectrix社のWARP FACTORYとFILTER FACTORYが面白い。

John JohnsonというdbxやDOD、Digitechを統括するHARMAN MUSIC GROUPの元社長が個人的に気合を入れて開発しただけあって、つまみを回しながら音がぐいぐいと変わっていくのが気持ちいいほど快適である
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拡大写真 そしてDJご用達のスピーカーといえばやはりCERWIN VEGAが筆頭にあがる。

CVのデモルームは終日来客がたえず、ドアをビタっと閉めきった後はフェ-ダーを目いっぱい上げて、ビートの利いたミュージックを皆楽しんでいた。

また写真の真中に見えるのがCVから登場した最新型ツイン−・ウーハータイプのサブウーハー・システム、SUB218。これが叫ぶと、壁が動くとは本当だった。

SUB15の小型サブウーハーがアメリカでは大ヒットしているそうだ。
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拡大写真 音響ではおなじみDBXが世界的にヒットしているQUANTUMを展示して注目を集めていた。

対象がDJであっても演歌であっても最終的な音作りはやはり優秀で簡単に操作が可能なマスタリング・プロセッサーにお任せしたいというエンジニアの気持ちは今も昔も変わっていない。

このような機器が続々と登場してもらいたいものだ。
照明機器の大御所といえばなんと言ってもMARTINでしょう。その品質といい、サービスといい、実績といい、世界トップの実力を誇るメーカーである。

さすがそのMARTIN, 会場のど真ん中に一番大きなスペースを確保して、無数の照明をハングしてビジターを楽しませてくれた。
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しかしMARTINのような高価な業務用だけが照明じゃない。安くても良いものは他にもいっぱい有る。
その最先端を行くAMERICAN DJも照明機器では今や世界各地で大きなシェアーを誇るまでになった。
価格が安くなった分だけ、日本でもこれからもっと照明機器が底辺まで浸透していくのだろう。
   
PLAZAショーを一言でまとめるとするならば、時代は変わるということにつきる。
音楽文化は国境とタイムゾーンを超えて、人間一人一人の心を捉え、
次々と新しい波にのまれつつ、新化し続けるものであり、
その最先端を予感させるようなショーであったといえる。(RN)



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