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誌上レポート MACKIE ONYX Satellite

MACKIE ONYX Satellite

Electronic Musician 誌
by Rusty Cutchin / 2007年 5月

つい持ち歩きたくなるようなユニークなインターフェース

MACKIE Onyx Satellite は、ちょっと変わったコンピューター・オーディオ・システム、正確に言えば「ドック」です。本体の大部分は入力を始めその他の各種接続端子、モニタリングコントロールを備えたベースステーションが占めています。大きなトップパネルスロットの上にはコンパクトなプリアンプ モジュールが横たわっており、オフサイトのスタジオ、ライブや他のロケなどに簡単に持ち運ぶ事が出来ます。MACKIEがPodと呼んでいるそのモジュールは、いちいちケーブルを外さなくても簡単にスタジオ外に持ち出す事ができるのです。Podは独自の入力端子・コネクションを搭載し、オンボードゲインや音量コントロール等の機能は独立して使用しても、ドッキングした状態でも変わりません。例外として、ドッキングした状態ではPodの2つのノブはヘッドフォンのレベルをコントロールし、独立の状態ではコントロールルームの出力端子のレベルを調節します。

ドックとPodはそれぞれ頑丈なメタルグレーのハウジングに包まれています。Podがドックされているときは、22度の傾斜が付いているトップパネルの一部となり容易に取り出すことができます。ベースステーションはフルサイズのFireWireポート、もしくは付属の12VDC電源アダプターで動かすことができます。接続するラップトップにスタンダードのFireWire端子があれば、バスパワーで駆動することもできます。もしコネクターが4ピンの小さいバージョンであれば、電源ケーブルが必要になります。PCのほとんどのWDM, GSF, ASIO プログラム、またMacのCore Audioコンパチブルのソフトに対応します。

On the Launch-pad

ベースステーションのトップパネルには入力端子用にAとBの2つのセレクトボタンがあります。マイク、楽器、ラインレベルソースをリアパネルに接続して、トップパネルからソースを選ぶことが出来ます。ファンタム電源、入力ゲイン、ヘッドフォンのコントロール、そして2つのヘッドフォン出力端子も含めてPodに搭載しています。

リアパネル上の入力チャンネル1、2にはそれぞれ、標準フォーンのライン端子x2、標準フォーンの楽器入力端子x2、同じく標準フォーンのインサート端子x1、それに評価の高いMACKIE ONYX マイクプリアンプに接続可能なXLR端子を足した合計5つの端子があります。(図1参照)加えて、8系統の標準フォーンバランス出力、電源アダプターのレセプタクル、そしてFireWire端子を1つ搭載しています。

Onyx Satelliteには通常のFireWireインターフェースとは違う、ユニークな特徴がいくつかあります。ベースステーション上のトークバックセクションにはボタンが2つあり、1つはオペレーターもしくはエンジニアの声をヘッドフォンのアウトプットに送り、もう1つはslating(トラックを音声で特定する)用にオーディオソフトに送れるようになっています。トークバックマイクはベースステーションの右手側、トークバックレベルノブ上のほとんど見えない3つの小さな穴の後ろ側に内蔵されています。

Onyx Satelliteはステレオやサラウンドシステムを簡単にモニターすることが出来ます。ベースステーションのトップパネルにあるスイッチで、1-2と記された基本的なモニタリング設定と、1-6と記されたリアパネル上の6つのディスクリート出力をモニターする設定のいずれかに選択する事が出来ます。4つのコントロールルーム出力端子は、2ペアの別々のモニタースピーカーに繋げる事もできますし、2ペアの片方だけを使用するときはA/Bボタンで使いわけることも可能です。ワンペアでの使用時には、消音ボタンにもなります。

Ready for Takeoff

48Vファンタム電源を使えば、ベースステーションのリアパネルにあるマイク入力を通してコンデンサーマイクを駆動することができます。(ボルテージが+34Vなので、いくつかのコンデンサーマイクではヘッドルームを失う可能性がありますが、今のところそのような問題は起こっていないそうです。)エレキギターのようなハイインピーダンス出力端子、もしくはそのような楽器を使いたい場合、Podとベースステーションの両方にあるギターアイコンの付いたボタンを使用します。2つのギターを2つの入力端子チャンネルに繋いであれば、全部で4つのボタンを使うことができます。

Mic、1、2(ライン1、2用)もしくはギターアイコンの4つのボタンの内1つを押して、2つの入力へ送るシグナルソースを選択します。ボタンを押すことによって、他のチャンネルが使えなくなることはありません。4つのボタンを同時に押して、片チャンネルの4つの入力を全て使用することも出来ますが、全部のシグナルがきれいには混ざりません。私がエレキギターをつないだ際は、同じチャンネルにつながっていたダイナミックマイクの音質がかなり落ちてしまいました。しかしシンセとギタープロセッサーをラインレベル入力端子につなげた時は、音質の劣化はありませんでした。

ドックから取り出した状態のPodは、世界一小さいFireWireインターフェースかもしれません。しかもOnyxの重要なプリアンプやモニタリング機能を搭載しています。Podのリアパネルには2つのコンボ端子、2つのCR出力端子、FireWire端子そしてPodをベースステーションにつなげるメス・マルチピンプラグがあります。(図2参照)

その他にも、2組の4ステージLEDでレベルのモニタリングが可能、さらにもう2つのLEDで電源が入っている事、そしてFireWire接続がアクティブであることを表示します。ベースステーションで長時間使用した後にPodがとても暖かくなっている事があるので、Podを外す時には覚えておいてください。また忘れてはならないことは、スピーカーを消音し、Onyx Satelliteの電源を切ってからPodを切り離す事です。そうしないと本体やスピーカーにダメージを与える可能性がありますし、少なくとも、不愉快で大きなポップ音が出ます。

Countdown

Onyx Satelliteの操作はとにかく簡単で、信頼性のあるハイクオリティなサウンドを出すことが出来ます。PCユーザーは付属のCD-ROM(Windows XP SP2が必要)からドライバーをロードする必要がありますが、Satelliteは、MacのOSX10.3.9以降のバージョンで使うことが出来ます。セットアップはとても簡単ですが一部のPower Mac G5sユーザーで遅れが生じる可能性があります。

私は、パワードモニターをOnyx SatelliteのコントロールルームA出力端子につなげました。キーボードシンセのステレオ出力をチャンネル1、2の入力端子1につなげ、チャンネル2の楽器入力端子へ直接ギターを接続しました。

Onyx Satellite にはMackie Tracktion2が付属していますが、私はMOTU Digital Performer (以下DP)とどれくらい相性が合うかが気になりました。コントロール・ルームセクションのSourceスイッチを"Input"にセットし、転換されたオーディオが直接コントロールルーム出力を通るようにすると、Onyx Satelliteは充分なヘッドルームできれいなサウンドを出しました。それからSourceボタンをDAWにスイッチし、いくつかのステレオトラックを録音するためにDPをセットアップしました。プログラムのデフォルトは64バイトのバッファーセッティングと44.1kHzの解像度になっていました。(Satellite自体が起動時48kHzにセットしてあります。)

キーボードを弾くにつれ、Satelliteのダイレクト入力モードとDPのステレオトラックとの違いが聞き取れませんでした。(レコーディングトラックを聞きながら直接インプットをモニタリングするためのミックスコントロールや他のオプションはありませんが、FireWireのスピードや本体のデザインはほとんどのアプリケーションではレイテンシーの問題はないようです。)Studio Projects C3コンデンサーマイクで録ったいくつかの簡単なボーカルテイクでも、きれいなオーディオを確認することができました。ファンタム電源にも問題なく、レイテンシーも気になりません。

Into Orbit

Podがドッキングした状態でのOnyx Satelliteのスムーズな操作を楽しんだ後、本体の電源を切り、Podをレセプタクルから取り外しました。モニターにさしていたケーブルをベースステーションのCR出力端子からPodのCR出力端子へ、そしてFireWireケーブルをアップグレードされたアップルのPowerBookG3 Prismoにつなげました。Prismoは本場のオーディオ作業には古すぎますが、スムーズにPodを接続することが出来、ラップトップのFireWireバスを使った時と同様に、高いオーディオクオリティを見せました。

現実的に言えば、当然ラップトップとPodの電源ケーブルを出来る限りつなげておきたいと思いますが、最近の強力なバッテリーを持つラップトップとフルサイズのFireWire接続が可能なので、ちょっとしたフィールドレコーディングにもよく合います。実際、このサイズのFireWireユニットの中ではOnyx Satelliteは一番のマイクプリアンプを持っていると言ってもよいかもしれません。Podとラップトップを使い、とあるボーカリストのレコーディングを彼女の自宅で行いました。Ethernetを通して録音トラックをG5に移し、ギターのオーバーダブを行うためpodをまたベースステーションに取り付けました。これはいい。

Touchdown

MACKIEは、初期のアナログミクサーでの成功からモニターやデジタルレコーディングデバイスといった商品への移り変わりもスムーズでしたが、Onyx Satelliteもその成功の一つになるようです。オフサイトでのレコーディングが多く、それでいて一貫したプリアンプを保持したい人たちには最適です。Onyx Satelliteは手ごろな価格ながら、様々なロケーションでミュージシャンとオーバーダブの作業を行ったり、またはポッドキャスト用にちょっとしたインタビューを録るなど、柔軟に対応します。

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